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ミス&リカバー

ミス&リカバー

投稿日時: 2017/07/20 20:07

まさかのミス!
まさかのミス!

 量産品の初納入のまさにその日、お客様からの急な仕様変更がありました。金型メーカー様の協力で異常なスピードで金型を仕上げていただき、ギリギリのバトンをつなぎ、わずか3日程度で新形状が完成しました。
 しかし喜びもつかの間。納入した部品でまさかのミス発覚!お客様が膝から崩れ落ちた瞬間でした。(実話)
 今回のブログはこの絶望地点からのお話です。


「計画通りの生産は絶望的…」
「さすがにもう無理…」
「絶対に間に合うはずがない…」

Sawaseを含め、関係者の胸中にはあきらめの言葉がよぎった。
ただ一人を除いて。


 平岡タイランド金型設計士K。彼は午後3時にその連絡を受けるや否や、すぐさま作業に取り掛かった。ある事情から彼の姿勢には鬼気迫るものがあった。
 驚くような速さでCAD、CAMを仕上げ、午後8時にはマシニングセンタに鋼材を取り付けた。翌日12時に仕上がりを確認し、磨き作業に取り掛かった。午後3時には金型が完成彼への一報から24時間の出来事であった。


 金型の形状を自身の目で確認したあと、彼を支えるスタッフが下山。ちょうど3連休の前日夕方で各地が渋滞するなか、4時間かかってふもとのワンノイに到着。(左図の水色、距離にして約230km)
 そこには上記同様に帰省ラッシュの渋滞のなか北上したどり着いたSawaseが待ち構えていた。(左図の緑字、距離にして約150km)
 二人が笑顔で金型を交換したとき、時刻は夜9時を回っていた。


 ここからはRIKENの出番、たった一つのミスさえ許されない緊張感のなかバトン(金型)を受け取り、わずかな時間で承認用サンプルの作成ブラスト・メッキをする必要があった。
 事前に熱板を十分に温めたプレス機ですぐに取り付け⇒成型、仕上がり具合を確認すると、製品をオーブンに入れ二次加硫を行う。
 その後は寸法の安定が確認できる程度に自然に冷まし、寸法検査に入った。


 寸法検査の結果は、合格!重要寸法、管理寸法、仕様変更箇所にて、すべてのキャビティで合格が確認された。そのとき、時刻は午前5時になっていた。


 夜が明けしばらくすると、休日出勤で急遽対応して下さることになったテイクロ様にて、ブラストメッキを依頼。社員の方すらまだ出社していなかった。
 わずか1時間半の待ち時間ですべてが完了し、量産態勢が整う。午前11時にはRIKENに戻り、同様に温めていた熱板にすぐさま取り付け、量産が開始されました。


 締めにはお客様自身がわざわざRIKENに来られ、量産性の確認即日部品承認を行う。幸い今回のリカバリーでは予期せぬミスは一つも起こらず、針の穴を通すような方法ではあったがギリギリで課題をクリアーすることができた。

 今回の一件で、サプライヤー様お客様の両方に支えられている状態であることを再認識。このチームワークがあればどんな状況でも挽回できるが、願わくば次回はミスなく自宅のベッドでぐっすりと寝られるようにしたいものだ。

このページを書いた人

RIKENTECHNOLOGY(THAILAND)CO.,LTD.
General Manager Mr. Sawase

技術ではなく脚で勝負になってきている、ゴムメーカーの管理者

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