医療用・食品用シリコーンゴムのメーカー【RikenTechnology(Thailand)】

シリコーンゴム・ゴム部品の試作・量産はお気軽にお問合せ下さい。092-250-0166

ภาษาไทยEnglish日本語

医療用ゴム製品および工業用ゴム製品の成型工場【RikenTechnology(Thailand)】
ホーム > 製品案内 > 液状シリコーンゴム

液状シリコーンゴム

 RIKENタイでは液状シリコーンゴム(LSR,Liquid Silicone Rubber)の成型を行っております。

 LIM成型機を使用せず直圧成型注型により架橋を行います。これにより小ロット・着色などの小回りのきく対応が可能になりました。

 日本・タイにおいて液状シリコーン材料管理ができるメーカーは少なく、オリジナル・ユニークな手法でお客様の課題解決に貢献いたします。

このページの簡単まとめ

液状シリコーン優秀だけど、取り扱いがすごく難しい

RIKENタイでは独自の技術制御できるようになったぞ

液状シリコーンゴム試作小ロット量産はRIKENタイにお任せだぞ

→お問合せはこちらまで

忙しい方向け 簡単Q&A (クリックで回答表示)
液状シリコーンの特徴は?
・熱硬化型のシリコーンゴム、A/Bの2液を混合して成型
・高い透明性と優秀な機械特性
・低温・短時間での架橋

液状シリコーンの硬度・グレードは?
・Hs20からHs65まで、5度刻み
・一般成型用グレード(FDA)、医療用グレード(USP ClassⅥ)
・その他耐熱・耐油・オリジナルグレードも研究・保有しています

液状シリコーン使用での課題解決例は?
・【流動ヨシ】ミラブル材(粘土状)では入りきらない部分に流動、充てん可能
・【検証ヨシ】量産と同じ材料で試作、超低コスト短納期で性能の検証が可能
・【外観ヨシ】高い透明度を生かし、シボの有無の違いを視認可能

液状シリコーンは着色できる?
・可能です。液状専用の液状顔料が基本
・ミラブル材用の固形顔料も条件を満たせば使用可能
・自由度が高く、原色以外でも様々な色を実現

はじめに

 当ホームページをご覧いただきましてありがとうございます、RIKENの澤瀬と申します。

 本ページでは液状シリコーンゴム成型について詳しく解説していきます。ゴム業界のなかでも特に謎に包まれた液状シリコーンゴム、基礎知識比較データ魔改造の結果等を紹介してまいります。 

液状シリコーンゴムの基礎知識

 液状シリコーン(Liquid Silicone Rubber 通称LSR)は常温で液体のシリコーンゴムで、A/B2液を混合して成型を行います。
 通常は液状射出成型機(Liquid Injection Machine 通称LIM)を使用し、大量生産を行います。


A材B材の2液混合
A材B材の2液混合

 硬度はHs20からHs65まで調整でき、色は半透明着色が可能です。
 物性面は優秀で、あらゆる機械特性においてミラブル材を凌駕しています。
 ベビー用品、医療用チューブ等が一般的ですが、他にも幅広い用途に活用できます。

比較! [ミラブル] VS [液状] 常態物性編

 ミラブルシリコーンゴム、液状シリコーンゴム、それぞれの代表的な機械特性比較してみましょう。
【比較ルール】
・比較用の数値は公開されているカタログから参照
・ミラブル、液状ともに[一般成型用グレード]とする
・硬度は使用量の多いHs40とする(当社比)



 引張強さ、7.5対8.0で液状の辛勝

引張強さ(Tensile Strength):
ゴムを引っ張ったとき、どれだけの力まで耐えられるか?を表す数値。
強ければちぎれにくくて丈夫、優秀な素材ということ。



 切断時伸び、370対450で液状の勝利

切断時伸び(Elongation at Break):
引っ張ってちぎれる瞬間まで、どれくらい伸びたかを%で表す。
引っ張って装着する部品も多く、基本的にすべての製品で要求される物性。



 引裂強さ、15対28で液状の完勝

 引裂強さ(Tear Stregth):ゴムに切れ目ができたとき、切れ目が広がって裂けにくさをkN/mで表す。
 薄い箇所、角があるデザイン、裂けるおそれのある使用用途において、使用材料の選定の際の重要なファクター。


 今回は基本の3項目のみで、他にも復元力を表す圧縮永久歪み、繰り返しの使用で重要な耐久性など様々な試験項目があります。
 基本的にはデータ上でも取り扱った経験上でも液状のほうが物性面で優れている傾向にあるようです。
 扱いが難しい材料ではありますが、うまくコントロールできれば設計者成型メーカーどちらにも心強い味方となります。

液状シリコーンゴムの難点

 ここまで液状シリコーンゴムの優れた点を紹介しましたがそれ以上に難点が多く、成型メーカーでも取り扱いができるところは限定的です。

 難点は下記の通り(クリックで詳細表示)

初期コストが高い
・LIM成型機は大量生産用のため、小ロットには不向き
・200㎏缶の段取り替えで大量のロスが発生、着色があればさらに洗浄が必要
金型代が高すぎる
・射出成型用の金型設計が精密で、直圧成型用金型とはケタ違いのコスト
・金型製作ができるメーカーが少ない
材料管理がシビア
・A/Bの2液混合型のため、混合比や温度管理を誤ると即硬化不良
・ポットライフが短く、A/B混合後はその日のうちに使いきる必要がある
架橋条件が狭い
・温度、圧力、時間の3条件、ミラブル材に比べあまりにも狭い。
・ミラブル材は±10℃程度の差があっても架橋するが、液状シリコーンは3-5℃の違いで架橋不良。
材料の調達性が悪い
・ミラブル汎用材と違い、一般に流通していないため入手が困難
・200㎏缶が最小ロットとなっている場合もあり、調達実現までハードルが高い

比較![ミラブル] VS [液状] 臭気試験編

 シリコーンゴムで皆様がどうしても気になる点は臭気でございます。
 特に食品用・乳幼児用部品ではクレームに発展する可能性があり、量産前に抑えておきたいポイントの一つです。
 原因は複数考えられ、一般的には下記のようなものが挙げられます。

・シリコーンゴムポリマー自体のニオイ

・過酸化物系架橋剤のニオイ

・二次架橋の際の恒温槽のニオイ

・二次架橋の際に出る煙状の物質のニオイ


 RIKENではミラブルシリコーンゴム液状シリコーンゴム臭気比較を行いました。さらに色残りについても写真で公開いたします。
【比較のルール】
・市販の水筒のパッキンを使用
・同条件で様々な液体に浸漬
・同条件で洗浄後、10人で臭気のBefore&Afterを比較、数値で集計

臭気比較データ・グラフ
画像クリックで拡大できます

臭気残りの比較、液状シリコーンの勝利!

色移り・変色 Before&After
画像クリックで拡大できます

色移り対決、液状シリコーンの勝ち!

 上記の通り、色移り・変色についてはLSRのほうが優れているという結果になりました。
 材料商社の方の見解として、LSRの白金触媒による付加架橋のほうが分子と分子の結合が密で網目が細かく間に色素が入りづらいためということです。

ログイン